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  深日(南海電気鉄道・南海本線)

1.和歌山市方面をのぞむ

 

2.駅前広場

 

3.駅跡すぐ横にある変電所

【駅概略】 ※1958年4月1日廃止

南海のみさき公園−孝子間にあった駅。難波から延びてきた南海本線が和歌山北口(現・紀ノ川)駅まで開業した際,当時の深日村に設置された。しかし,1938年にここよりやや難波寄りに南淡輪(現・みさき公園)駅が開業し,1944年にはそこから分かれる多奈川線が開業したため,深日駅は存在価値を失ってしまう。さっそく多奈川線開業の翌日から旅客扱いが休止され,1958年に正式に廃止された。廃止からかなりの年月が経過したが,駅跡は往時の姿をよくとどめており,深日駅に隣接して1911年に設置された変電所もいまだに稼動している。

 

【駅データ】 ※現在は廃止

駅名

深日(ふけ)

所在地

大阪府泉南郡岬町深日
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1898年10月22日(南海鉄道として)

乗降客数

駅名のルーツ

 

【停車本数データ】 ※現在は廃止

 

【訪問記】(2006年8月)

真夏の暑いさなか,残すは最期の1回分となった「3・3・SUNフリーきっぷ」を手に,南海深日町駅にやって来た。目的地はここから若干歩いたところにある深日駅の跡地である。

と,この深日町駅,自動改札口が完備された無人駅で,「3・3・SUNフリーきっぷ」でやって来た客を出してくれない。インターホンで事情を説明し,ようやく外に出ることができた。さて,気を取り直して,深日駅の跡地に向かうことにしよう。

この深日町駅付近でぐいっと曲がっている国道26号線を和歌山方面へと歩く。道なりに進んで緩やかに右に曲がり,左手を流れていた川が国道にさらに迫ってきたところで左に入る小道が現れた。参考文献に従い,この小道に入る。そうしてちょっと行くと,線路(南海本線)に出た。小藪で直接線路は見えないが,地図ではそうなっている。

と,線路(南海本線)脇の小藪が一部途切れてわざわざ線路に出られるようにしてある場所がある。ここが深日駅のあった場所である。いま自分のいる場所はいかにも駅前広場といった風情だ。何となく今来たほうを振り返ってみても,いかにも駅前通りといった風情が感じられる。さっそく駅跡を探索することにしよう。

難波からかなり来たとはいえ,ここは大手私鉄・南海の本線,列車本数もそれなりにある。線路に立ち入るのは非常に危険だ。ので,まずは線路脇から恐る恐る駅跡を覗き込んでみる。と,雑草に覆われた2面2線のホームが目に飛び込んできた。手前にはレンガを組んで造られた部分も見えるなど,非常に味わい深い駅跡である。

本当はホーム跡をくまなく歩いてみたいけど,ホームを歩いていて列車が通過したら・・・と思うと気がひける。ので,おとなしくこれで諦めて,駅前広場に戻ることにする。そして隣接する変電所を眺めてみる。周囲をフェンスで囲われて近づけないが,遠目にもこれまた非常に味わい深い建物であった。

これで満足し,この地を去ろうと思う。深日駅はみさき公園駅に吸収され,多奈川線に客を奪われる形で廃止されたとも言えるが,そのうち多奈川線については行きに深日町駅を利用したので,帰りは少し遠いけどみさき公園駅へ向かうのが深日駅の供養のためにも良いだろう。というわけで,相変わらず燦々と照りつける太陽の下,みさき公園駅に向けてとぼとぼ歩き始めた。


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