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  桜庭(JR北海道・留萌本線)

1.駅跡遠景

 

2.留萌方面をのぞむ(線路左手にホームがあった)

 

3.駅跡前広場

【駅概略】 ※1990年10月1日廃止

JR留萌本線の幌糠−藤山間にあった無人駅。幌糠駅から2.8kmの地点にあり,国道233号線が留萌本線を越える跨線橋の脇にひっそりとあった。もともと仮乗降場として開業したこともあり,非常に簡素な造りとなっていた。利用者がほとんどいなくなったため,1990年9月いっぱいで廃止された。

 

【駅データ】 ※現在は廃止

駅名

桜庭(さくらば)

所在地

北海道留萌市藤山町
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1963年12月1日仮乗降場として開業,1987年3月31日駅に昇格

乗降客数

駅名のルーツ

 

【停車本数データ】 ※現在は廃止

1972年10月

4.5往復(仮乗降場)

1987年4月

下り2本,上り4本(駅)

 

【訪問記】(2006年10月)

峠下駅で下車し,半年前に廃止された東幌糠駅の跡地を訪問したあと,国道233号線をさらに西へと向かう。次に目指すは16年前まで存在したという桜庭駅の跡地である。

桜庭駅のことを知ったのはつい最近のことだった。仮乗降場から昇格した駅で,今は廃止されてもうない。となると,どうしても現地に行ってみたくなる。そのためには,桜庭駅がどこにあったかを知る必要があるのだが,どんなに調べても「幌糠駅から藤山方面へ2.8kmの地点」ということよりほか分からなかった。非常に造りが簡素だったと思われる仮乗降場上がりの駅の位置を特定するにはあまりに情報が乏しい。

そこで,琴平駅のときのような奇跡(廃止された駅が削除されずにまだ記載されていた)を信じて,国土地理院が公開している2万5千分の1地形図を閲覧する。そして,幌糠−藤山間におかしな部分がないかをチェックする。・・・・・・が,残念ながらすでに正しく修正されたようで,手がかりは得られなかった。

次に,国交省が公開している「空中写真」のページをチェックする。ここではありがたいことに,桜庭駅(当時は仮乗降場)がまだまだ現役だった1977年に撮影された空中写真を閲覧することができる。興奮を抑えつつ,再び幌糠−藤山間におかしな部分がないかをチェックする。・・・・・・と,国道233号線が留萌本線を越えようとする跨線橋の幌糠寄り南側に,ホームのようなものがあるのが目に飛び込んできた。それでも早合点はせず,先の2万5千分の1地形図で幌糠駅からこの場所までの距離を計測してみる。と,確かに2.8kmだった。「ここだ,間違いない・・・!」ようやく確信に至った私は,今日ついに現地にやって来たのだった。

というわけで,東幌糠駅跡地から国道233号線を淡々と歩く。周囲の風景は特に代わり映えしない。留萌本線と国道が仲の良い夫婦のようにどこまでもぴったりと寄り添っている。・・・が,やがてやや関係の冷めてきた両者は,少し距離を置くようになり,ついには国道が留萌本線を跨ぎにかかろうとした。空中写真によると,まさにここが桜庭駅のあった場所である。

まずは国道の跨線橋の上から駅跡を眺めてみる(写真1)。線路の向かって右側にホームがあったはずだが,いまや完全に雑草に覆われていて,「ここに駅があったんだ」と言われなければ(あるいは言われても)絶対に分からなくなってしまっている。

ちょっと幌糠寄りに戻ったところから,駅跡へと通じる農道が出ている。この農道は,最初は国道に並行するも,すぐに大きく右にカーブして留萌本線と交差している。その踏切に立って,「ホームのようなもの」が写っている場所を凝視してみる(写真2)。・・・・・・も,ただただ草が繁茂するばかりで,よく分からない。駅の痕跡を探索しようにも,草が邪魔してこれ以上近づきようがない。

あえなく探索をあきらめ,農道が大きく右にカーブしている場所に戻る(写真3)。桜庭駅が現役だった頃は,ここが駅前広場だったはずだ。よく見ると,確かに農道から線路脇にかけて,もしここに駅がなかったなら不要なはずのスペースが広がっている。不思議なことに,このアングルから眺めていると,駅の面影が何となくにもだんだんと感じ取れてきて,「やっぱりここに駅があったんだなぁ」という気になってくる。・・・・・・普通の人が冷静に見れば単なる草むらにしか見えないだろうけど。

すっかり満足した私は,このアングルからの眺めをいま一度目に焼き付けてから国道に戻り,次の目的地である藤山駅に向けて歩き始めた。・・・と,さきほど途中まで行って引き返した跨線橋がさっそく現れる。そのてっぺんからいま一度,駅跡全景を眺めてみると,当の桜庭駅跡地は自身のことを調べに来た珍妙な訪問者のことなど全く意に介さず,先ほどと寸分違わぬ姿でそこにたたずんでいた。


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