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  下風呂(大間鉄道)

1.ホームから降りる階段

 

2.1.へとつながるホームへの上がり口

 

  3.綺麗に整備されたアーチ橋   4.整備された「下風呂駅」

 

  5.入り口をふさがれたトンネル   6.アーチ橋

 

7.橋梁の跡

【駅概略】 ※未開業

下北半島の大畑から半島先端の大間を目指して建設されていた大間鉄道の途中に設置される予定だった駅。本州と北海道を結ぶ最短ルートとして建設が進められていたが,桑畑まで路盤が完成したところで太平洋戦争により工事が中断,その後二度と再開されることはなかった。

 

【駅データ】 ※未開業

駅名

下風呂[仮称](しもぶろ)

所在地

青森県下北郡風間浦村下風呂
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

乗降客数

駅名のルーツ

 

【停車本数データ】 ※未開業

 

【訪問記】(2005年8月)

函館からフェリーで大間に渡り,本州最北端の大間崎を見物したあと,下北駅前行きの下北交通バスに乗った。バスは下北半島の北海岸をじわじわと南下する。左手には雄大な太平洋が広がり,右手にはすぐ近くにまで山が迫っている。

このような場合,左側に座って海を眺めるのが普通だろうけど,私は懸命に右側を眺めている。言うまでもなく,大間鉄道の痕跡がいつ出現してもいいように,だ。

バスに揺られること約20分,それまで特に何も見えなかった右側の車窓に橋台跡とおぼしき物体が突如現れた。直近のバス停は「桑畑」であった。

それから数分後,「下風呂」というバス停に降り立つ。大間鉄道は魅力的な痕跡を数多く残しているが,中でも下風呂には駅跡とアーチ橋の2拍子が揃っている。

バス停近くの階段をのぼるとお目当ての階段跡はあっけなく見つかった。いかにもホームから下の集落へと降りる階段,といった風情だ(写真1)。今でも純粋な階段として使われているらしく,問題なく通れる。列車から降りたシーンを想像しながら,階段を降りてみた。

と,そこはさっき降りたバス停のすぐ前だった。さっきは全く気づかなかったが,民家の隙間にぽっかり口を開けている(写真2)。開業していたらここに駅舎がつくられていたかもしれない。

この階段を再び上がり,右に折れる。圧巻のアーチ橋があるはずだ。期待に胸が膨らむ。が,いかにも路盤跡らしき道を進んだ先で,その期待は針を刺されたように急にしぼんでしまった。

・・・・・・? ・・・・・・!!

なんと,アーチ橋はすっかり小綺麗に整備されていたのだ(写真3)。中央にはホームをかたどった真新しいモニュメントのようなものまでつくられている(写真4)。「下風呂」という駅名標も見える。廃線跡を見に来る人がどれほどいるのか知らないが,ここまで観光地っぽくされては逆に廃線跡巡りの醍醐味がなくなってしまう。崩壊の恐れがあったとかいろいろあったのだろうが,それはそれで自然のまま残して欲しいと思った。

気を取り直し,そのまま「新アーチ橋」を下り,国道279号を今来た方向へ逆戻りする。バスからちらほら見えていた痕跡を間近で観察するためだ。

まずは入り口をふさがれたトンネル(写真5)が見えた。そこへつながる路盤跡は畑になっており,非常に分かりやすい。トンネルの出口側にもまわってみる。が,こちらは草木に覆われてよく分からなかった。

次にアーチ橋が現れた(写真6)。今度こそ正真正銘,整備されていない大間鉄道の痕跡だ。草に覆われており,時の流れを感じさせる。やはりこの方が味わい深い。

さらに進むと,今度は橋梁の跡が見えた(写真7)。橋脚,橋台,桁などが無秩序に残っている。実に味わい深い。期待外れだった「新アーチ橋」のショックもこれで完全に癒えた。

もう少し進めば桑畑である。工事が行われた最北地点だ。バスからも橋台跡が見えていた。が,残念ながら乗るべきバスの時刻が迫っている。廃線跡探索をここで切り上げ,久々に右手に広がる海に目を向けてみた。

ここまでほとんど気にかけてこなかったが,雄大な太平洋が目の前に広がっている。岩礁などもあり,なかなか美しい。ふぅっ,と一息ついてみた。できれば大間鉄道の車窓からこれを眺めたかったな,と思った。


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