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  下中川(JR北海道・宗谷本線)

1.幌延方面をのぞむ(線路左側に駅があった)

 

2.天塩中川方面をのぞむ(線路右側に駅があった)

【駅概略】 ※2001年7月1日廃止

JR宗谷本線の天塩中川−歌内間にあった無人駅。天塩中川駅から3.9kmの地点にあった。もともと仮乗降場として開業したこともあり,板張りのホームと小さな待合室という非常に簡素なつくりの駅だった。駅跡付近には天塩川が流れ,「さけ・ます資源管理センター」があるものの,集落はほとんど壊滅状態で,無人の原野と牧草地が広がっている。

 

【駅データ】 ※現在は廃止

駅名

下中川(しもなかがわ)

所在地

北海道中川郡中川町中川
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1955年12月2日仮乗降場として開業,1959年11月1日駅に昇格

乗降客数

駅名のルーツ

中川より,天塩川の下流にあることから。

 

【停車本数データ】 ※現在は廃止

1961年10月(駅)

5.5往復

1968年12月(駅)

6往復

1987年4月(駅)

4.5往復

2001年3月(駅)

2往復

 

【訪問記】(2005年10月)

安牛駅から普通列車に乗車。問寒別から乗客は私1人となり,その私も天塩中川駅で下車。大急ぎで駅舎を出て,北に向けて歩き始めた。目指すは4年前に廃止された下中川駅の跡地である。

そこそこ活気のある駅前の集落はすぐに途切れ,周囲は無人地帯となる。が,なぜかすぐ横をトラックが頻繁に行き交う。しばらく歩いて謎が解けた。どうやら採石場があるらしい。

無人地帯をとぼとぼ歩く。ここまで来ると車もほとんど通らない。景色も単調だ。日暮れも迫っている。歩くスピードを上げた。

歩き始めて約1時間,ようやく駅跡地近くの踏切に到着した。と,左手を見ると,「熊出没注意」の看板がある。無人地帯を1人で歩いている人間にそんな脅しをするのはやめて欲しいと思う。・・・そんな人間のためにわざわざ警告してくれているのだろうけど。

駅があったと思われる線路脇をくまなく歩く。そして痕跡をくまなく探してみる。・・・が,何もない。何も見つからない。線路のどちら側に駅があったのかすら分からない。仮乗降場として開業し,非常に簡素なつくりだったからだろう。何も見つからないのは琴平駅ですでに体験済みだったので,そんなにショックはなかった。

駅横通りを東に歩いてみる。右手に廃屋が見える。人の気配は全くない。なぜこんなところに駅があったのか,全く理解できない。昔は多くの人々がこの地で生活を営み,それゆえ活気があり,それゆえ駅が設置されたのだろうけど,今は見る影もない。時の流れというのはかくも残酷でかくも冷徹なのか・・・・・・。

辺りが暗くなってきた。そろそろ天塩中川駅に引き返そうと思う。先ほどの看板が頭にあるので,鈴のついた自宅の鍵を必死に振り回し,口笛をにぎやかに吹いてクマを威嚇する。すっかり暗くなった中,ごくまれに通る車にびっくりされながらも,ようやく天塩中川の人家の明かりに接したときには本当にほっとした。


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