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  新有馬(神戸電鉄・有馬線)

1.駅跡前通り

 

2.ホームその1(有馬温泉方面をのぞむ)

 

3.ホームその2(有馬温泉方面をのぞむ)

 

4.駅跡前広場

【駅概略】 ※1975年6月15日休止、2013年2月28日廃止

神戸電鉄有馬線の有馬口−有馬温泉間にあった駅。有馬口駅から1.8kmの地点にあった。有馬線の開通当初から設置されていたが、駅周辺の住民が皆無となったため、1975年6月に営業を休止した。その後も、駅周辺の今後の開発可能性を考慮して、長らく休止扱いとなっていたが、2013年2月に正式に廃止された。2012年10月現在、有馬トンネルの西側出口に当時のホームが残っている。

 

【駅データ】 ※現在は廃止

駅名

新有馬(しんありま)

所在地

兵庫県神戸市北区有野町唐櫃
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1928年11月28日

乗降客数

駅名のルーツ

 

【停車本数データ】 ※現在は廃止

1930年10月(神戸有馬電気鉄道)

?往復

1944年12月(神戸有馬電気鉄道)

?往復

1956年12月

?往復

1968年12月

?往復

1976年2月

(休止中)

2012年3月

(休止中)

 

【訪問記】(2012年10月)

かつて人口増加率日本一を誇った兵庫県三田市。その原動力となったニュータウンを、鉄道でお手軽に見学すべく、三田駅から神戸電鉄公園都市線直通電車に乗る。駅名にもなっているフラワータウン、ウッディタウンなど、車窓にニュータウンが展開する。

終点のウッディタウン中央駅の周辺を散策した後、折り返して横山駅で乗り換え、有馬口駅でもさらに乗り換えて、有馬温泉駅に到着した。

有馬温泉といえば、言わずと知れた関西の名湯で、私自身も何回か浴したことがある。久しぶりの訪問で、「懐かしいな」と思いつつ、駅を出て、温泉街には背を向けて、県道51号線を西に向けて歩き始める。残念ながら今日の目的は温泉ではない。

神戸電鉄の線路と並行するように走る県道を道なりに進み、「カタ越峠」と地形図にある小さな峠を越えてさらに進むと、右手に山道が分かれている地点に到着した。この山道(写真1)に入ると、間もなく神戸電鉄の踏切(ただし遮断機はない)にたどり着く。この踏切から有馬温泉駅方面を覗き込むと、トンネル手前の線路の右手にホームのようなものを発見した(写真2)。ここが今日の目的地である「新有馬駅」跡地である。

駅跡は完全に山に抱かれている。東方の山を越えれば華やかな有馬温泉街が広がっているし、北方の山を越えれば有野台や東有野台といった新興住宅地が広がっている。西のほうにも新興住宅地が迫ってきており、南のほうにも六甲山カンツリーハウスや六甲高山植物園といった観光地がある。かように四方に開発の手が伸びてきているけれど、ここ新有馬駅跡地周辺はいたって静かである。

なぜこんなところに駅があったのだろうか。新有馬駅は、神戸電鉄有馬線の全通(1928年)と同時に開業した由緒ある駅だが、利用者の減少により1975年に営業を休止したという。最初はハイキング客の利便性を図って設置したのかと思ったが、聞くところによると昔は駅の周辺に民家があったという。今はその面影すらない。ただ、周辺の開発の可能性を考慮して、駅を廃止とはせず、休止扱いとしているらしい。確かに、四方に開発の手は伸びてきている。

ホームに近づくべく、駅跡前広場と思われる空き地(写真4)に入っていく。途中から、背丈の高い草むらに変わり、一歩進むのにも難儀する。それでも負けじと進んでいくと、ホームのすぐ横と思われるところまで来た。・・・が、ホーム沿いにも盛大に雑草が繁茂しており、ホームを視界にとらえることすらできない。あきらめて、少し戻ってから、線路沿いに設けられたフェンス越しに写真を撮ってみた(写真3)。

これ以上ここにいても仕方ないので、引き上げることにする。駅跡前広場を引き返し、最初の踏切付近まで戻ってきた。・・・と、ズボンにいわゆる「ひっつき虫」がその名の通り引っ付いているのに気付いた。よくよく調べてみると、全身(特に下半身)に大量に引っ付いている。これから電車で神戸の街に出るのに、こんな恰好では出るに出られぬ。時折通る普通電車からの視線を勝手に痛く感じながら、必死でひっつき虫と格闘する。

結局、新有馬駅跡地での滞在時間のうち、半分はひっつき虫を取るのに費やすこととなった。

 

追記(2013年9月)

今年の2月28日に新有馬駅が正式に廃止されていたことを今日初めて知った。永遠に休止扱いだと思っていたので、非常に驚いた。廃止の手続きをしたところで、神鉄に特にメリットはない気がするが・・・。とにかく、これで新有馬駅の復活の道は残念ながら完全に断たれてしまったようだ。


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