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  天覧山(西武鉄道・池袋線)

1.駅跡地

 

2.駅跡前広場

 

3.駅跡前通り

【駅概略】 ※1954年10月10日廃止

西武池袋線の東飯能−高麗間にあった駅。東飯能駅から1.4kmの地点にあった。池袋線全通から1年半後に新たに設置されたが,1945年2月3日に営業休止,1954年10月10日に正式に廃止された。現在,跡地は空地になっており,駅前広場に植えられていた桜の木が駅跡前路地の隅に1本ぽつんと残っている。

 

【駅データ】 ※現在は廃止

駅名

天覧山(てんらんざん)

所在地

埼玉県飯能市本町
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1931年4月1日

乗降客数

駅名のルーツ

 

【停車本数データ】 ※現在は廃止

 

【訪問記】(2009年7月)

西武池袋線に乗り,飯能駅に到着。地方都市にふさわしく賑わう駅前通りを北上し始める。知らぬ間に国道299号線となるもかまわずさらに北上し,西武池袋線の踏切手前で左に折れ,突き当たりを右に行き,1つ目の信号を越えたところを右に入り,すぐを左に折れ,突き当たりまで進むと,今回の目的地に到着した。

ここは「天覧山」という駅があった場所である。近くに同名の山(標高197m)があり,そこから駅名を採ったようだ。戦前に設置されたが太平洋戦争末期に営業休止,戦後約10年を経て正式に廃止されている。休止・廃止からかなりの年月が経っている割には遺構がかなり残っているということで,興味をひかれて今日何となくやって来たのだった。

L字型に曲がるこの路地のまさにその外角に,築堤上を走る西武池袋線に接して空地が広がっている(写真1)。その前後は家が建て込んでいるので,見るからに不自然だ。向かって右手に梯子があり(写真2),線路に上がれるようになっている。まさか現役時代にホームに上がるために使っていたものがそのまま残っているとは思われないが,駅跡地の雰囲気を盛り上げてくれてはいる。できることならこの空地に入って遺物をつぶさに捜索してみたいが,柵とフェンスがあって私のような不審者が不審に闖入するのを拒んでいる。相手はたかが物言わぬ柵とフェンス,覚悟だけ決めて「お邪魔します」と断ってからサクッと越えていけば良さそうだけど,そこまでして入ることもないように思われる。ので,遠目から見学しただけであっさり引き下がることにした。

この曲がり角に,古木が1本ぽつねんと立っている(写真2)。路地の真ん中あたりに立っていて,傍から見れば「こんな邪魔な木,さっさと切り倒してしまえばいいのに」と思えてくる。が,この木は実はかつて駅前広場に植えられていたものの生き残りなのかもしれない。そう思うと,駅跡前広場の雰囲気を大いに盛り上げてくれる有り難い木のように見えてくる。厄介者扱いする声に負けずにいつまでも天覧山駅の記憶をとどめて,私のような珍妙な訪問者に往時を偲ばせてやって欲しいと思う。

L字を形成するもう一方の路地を行く。すぐに2車線道路にぶつかり,そこで後ろを振り返ると突き当たりに駅跡地が見える(写真3)。このアングル,いかにも駅前通りという雰囲気がして,ついつい見惚れてしまった。

これにて駅跡地訪問は終了。近くにある「天覧山入口」バス停から国際興業バスに乗り込み,飯能駅に戻った。


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