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  能登三井・能登市ノ瀬・輪島(のと鉄道・七尾線)

1.能登三井(駅舎)

 

2.能登三井(ホーム)

 

3.能登市ノ瀬(駅舎)

 

4.能登市ノ瀬(ホーム)

 

5.輪島

【駅概略】 ※2001年4月1日廃止

[能登三井]穴水駅から北へ11.0kmの地点にあった駅。普通列車のほか,急行「能登路号」も停車していた。2面2線のホームを有していたが,晩年には列車交換は行われていなかった。

[能登市ノ瀬]能登三井駅から5.0kmの地点にあった駅。1面1線のホームを有し,普通列車のみが停車していた。

[輪島]能登市ノ瀬から4.4kmの地点にあった駅。朝市で有名な輪島市の中心駅で,七尾線の終点でもあった。普通列車のほか,急行列車も発着していた。駅名標になぜか「(次は)シベリア」と書かれていたことは有名。

のと鉄道七尾線の穴水−輪島間は乗客の減少に歯止めがかからず,急行廃止など合理化をはかったものの,2001年3月いっぱいで廃止された。それに伴い,同区間内にあった3駅も廃止された。

 

【駅データ】 ※現在は廃止

駅名

能登三井(のとみい)

所在地

石川県輪島市三井町長沢
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1935年7月30日(国鉄として)

乗降客数

駅名のルーツ

「日本後記」大同3年条に「廃能登国鳳至郡三井,大市,待野,珠洲等六箇駅,以不要也」とある。三井は保名で,深井保とも記されている。

駅名

能登市ノ瀬(のといちのせ)

所在地

石川県輪島市市ノ瀬町
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1935年7月30日(国鉄として)

乗降客数

駅名のルーツ

河原田川流域にある。一ノ瀬と同義の形状地名か。

駅名

輪島(わじま)

所在地

石川県輪島市河井町
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1935年7月30日(国鉄として)

乗降客数

駅名のルーツ

形状地名。「吾妻鏡」「盛衰記」に見える。

 

【停車本数データ】 ※現在は廃止

 

能登三井

能登市ノ瀬

輪島

1944年12月(国鉄)

8往復

8往復

8往復

1956年12月(国鉄)

8往復

8往復

8往復

1968年12月(国鉄)

11.5往復

9往復

11.5往復

1987年4月(JR西日本)

11.5往復

10.5往復

11.5往復

2001年3月

12往復

12往復

12往復

 

【訪問記】(2004年1月)

北陸鉄道石川線浅野川線に乗車した翌日,JR西日本・のと鉄道七尾線で穴水までやってきた。今日は穴水−輪島間の廃線跡を探索する予定である。

駅前からバスに乗り,北上する。車窓を懸命に眺めるが,痕跡は見当たらない。どうも七尾線のルートと代替バスのルートは離れているらしい。そうこうするうちに三井駅前に到着,下車する。以前ここに駅があったことをまずはバス停が教えてくれた。

駅跡の観察にうつる。線路が剥がされ車が侵入しているものの,駅名標や待合室は比較的きれいに残っている。駅舎にしても,正面からだと廃駅には見えないほどきれいだ。どうも手入れされている感がある。廃止になってもこうして鉄道や駅に愛着を持って大切にしてもらえるのは嬉しい限りだ。

さて,ここから廃線跡に沿ってさらに北上することにする。基本的に並行する道路を行くが,車が通らなくて安全な路盤跡を歩いてみたりもする。やがて廃線跡は道路下からトンネルに入り,道路も少しずつ高度を稼いだ末にトンネルに入った。

が,その手前で,旧道とおぼしき細い道が右手に分かれている。廃線跡もそちらのほうが近い。野生の勘も働き,無意識のうちにこの細い道に入っていった。

山道を行くこと約10分,突如目の前に2本の橋脚が現れた。近づいてよく見ると,すぐ横の山の中腹あたりにトンネルが口を開けている。う〜む,これはすごい・・・。この細い道を選んで正解だった。

やがてトンネルを通過してきた新道と合流し,さらに廃線跡に沿って進む。線路を剥がされた路盤が延々と続いている。市ノ瀬の集落手前でまたまた旧道とおぼしき細い道に入り,能登市ノ瀬駅跡に到着した。

こちらはホームがしっかりと残り,駅舎も原型をとどめているものの,駅名標はなく,特に手入れはされていないようだ。また,「駅前」の匂いは漂わせているものの,周囲の雰囲気は非常に寂しい。比較的しっかりとした町を形成していた三井駅と違って,急行列車が通過していたことも納得できる。

駅前のバス停から輪島に向かうことにする。穴水方面には小奇麗な待合室があって快適だが,一方の輪島方面にはバス停の標識すらない。もしかしたら輪島方面に行くにしても,いったん穴水方面に向かうのかもしれない・・・。そう考えてのんきに待合室で待つことにした。

間もなく,そして予想に反して,穴水方面から乗るべきバスがやってきた。結構なスピードを出していて,このバス停で止まる気配はない。あわてて待合室を飛び出し,手を挙げる。突然姿を現した乗客に,バスのほうもあわてて急停車する。間一髪で捕まえたバスの運転手は「待合室じゃなくてこっち側で待っててくれにゃ困るべ」と釘を刺した。

バスは何事もなかったように発車し,疾走して,終点・輪島駅前に到着した。ここに輪島駅があったはずである。が,全くその面影はない。ただ真新しい建物があるのみだ。「ふらっと訪夢」というらしい。そのネーミングからして,旧・輪島駅跡地を利用してつくったのだろう。現役時代の輪島駅は知らないが,皮肉にも現在のほうが活気があるように思われた。

これじゃ何も痕跡は残っていないだろうなと思いつつ,とりあえず建物に入ってみた。すると,突然線路とホームが目に飛び込んできた。そして,在りし日ののと鉄道の写真。輪島駅のホームを保存しているのだった。

写真をとっていると,職員とおぼしき方がやってきて「良かったら写真をお撮りしましょうか」と言ってくれる。なんだか照れくさくて丁重にお断りしてしまったが,鉄道やそのファンを大切にしようとする姿勢が感じられ,嬉しかった。

このあと能登空港経由のバスで穴水に戻り,のと鉄道に乗り換えた。目指すは鹿波駅である。


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