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  明塚(JR西日本・三江線)

1.駅全景

 

2.ホーム(江津方面をのぞむ)

 

3.駅入り口

【駅概略】

JR浜原駅から江津方面に2駅,5.1kmの地点にある無人駅。江の川近くにひっそり開ける小さな集落に,1面1線の簡素なホームが水田と畑地の間にぽつんとある。路線開業後しばらくして新しく設置された。駅前通りの交通量は非常に少なく,長閑な雰囲気が漂っている。

 

【駅データ】

駅名

明塚(あかつか)

所在地

島根県邑智郡美郷町明塚
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1967年4月1日(三江北線として)

乗降客数

駅名のルーツ

よく分からないが,強いて言えば黒百合の異名を「アカツカ」という,それからか。

 

【停車本数データ】

1967年10月(三江北線)

9往復

1987年4月

8往復

1993年4月

6往復

2010年3月

5往復

 

【訪問記】(2010年5月)

11時00分。宇都井駅から上り普通列車に乗る。車内は相変わらず閑散としているが,私以外に乗客がいるだけでもマシだと思う。

11時42分。明塚駅に到着し,下車する。他に下車客はもちろんいない。列車が行ってしまうと,ホームに一人取り残された。

明塚駅には9年前にも訪問したことがある。当時,この世界に入ったばかりだった私は,「とにかくローカルそうな路線を」ということで三江線に目をつけ,結局最後までこの世界には入らずじまいに終わった友人らとともに,この駅に降り立った。時刻はすでに夕暮れ近く,下車して程なく薄暗くなり,人通りも全くなくて,すぐにうら寂しさを覚えた。そしてすっかり日が落ち暗くなった頃,粕淵駅方面に車のヘッドライトが光った。今日の宿を予約していた湯抱温泉旅館(明塚駅から北に5kmほど)からの迎えの車だった。全ては予定通りだったけど,心の底からほっとした。旅館の主人には「粕淵駅に迎えに行くことはあるけれど,明塚駅に迎えに行ったのは初めてだ」と言われた。

あれから9年。目の前に広がる景色は,おぼろげな記憶と一致している。1面1線の簡素なホーム。コンクリートブロック造りの待合所。ホームから畑地を抜けて駅前通りに通じる細い道。駅周辺に広がる小さな集落。駅前通りの交通量は相変わらずほとんどない。今回,明るい時間に改めて訪問してみて,明塚駅の良さを再認識した。

駅前通りを南に向かってみる。明塚の集落はすぐに尽き,水力発電所に出た。地図によると,ここから東に1qほどのところにある浜原ダムから水を受けているらしい。この辺りの江の川は「なぜここまで・・・?」と不思議に思うほど屈曲している(粕淵駅付近を頂点に北に大きく迂回している)から,送水管の建設距離が短くて済む。非常に良い立地条件だなと思う。

早くもやることがなくなった私は,駅前通りを北に歩き始めた。途中,別れを惜しんで何度も後ろを振り返り,明塚駅の姿を確認しつつ,ついには振り切って一目散に北に向かう。やがてすぐ左手に江の川の雄大な流れが見えてきた。


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