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  土合(JR東日本・上越線)

1.駅舎

 

2.下りホーム

 

3.下りホームから地上に向かう階段

 

4.上り線ホーム

【駅概略】

JR上越線・水上駅から北へ2駅,10.2kmの地点にある無人駅。1967年の新清水トンネル(下り線用)開通にともない湯檜曽−土樽間が複線化され,その中間にある土合駅の下り線ホームは新清水トンネルの途中に設けられた。駅舎と下り線ホームとの標高差は70mにもなり,462段の階段を移動しなければならないため,改札口からホームまで約10分かかる。時刻表にもその旨「ご注意」として記載されている。「日本一のモグラ駅」とも呼ばれ,関東の駅百選に選ばれた。なお,上り線ホームは単線時代からの地上にある。駅周辺に人家はないが,谷川岳への登山客の利用が多い。

 

【駅データ】

駅名

土合(どあい)

所在地

群馬県利根郡みなかみ町土合
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1936年12月19日

乗降客数

59人(1991年,1日平均)

駅名のルーツ

古くは土井の庄といったところ。ドアヒは粘土の古語というが,隣駅に土樽もあるように,土のつく地名が合したものと見える。

 

【停車本数データ】

1944年12月

下り8本,上り6本

1956年12月

9.5往復

1968年12月

8.5往復

1987年4月

9往復

2005年7月

5往復

 

【訪問記】(2005年10月)

トンネルの中にある現・湯檜曽駅の下り線ホームから下り電車に乗車(当たり前だけど)。電車は真っ暗なトンネルの中ばかりを約5分走り,相変わらず真っ暗なうちに減速し始め,そのまま土合駅の下り線ホームに滑り込んだ。

約3年半ぶりに土合駅に降り立つ。相変わらず地中奥深いところにある。相変わらずホームは薄暗い。地上に出るための階段も相変わらず長い。・・・・・・にわかに変わってたら怖いけど。

階段手前にある看板を読んでみる。トンネルの中にあるこの特殊なホームについて一通り解説し,地上まで約10分かかると述べたあと,ご親切にも「足元にご注意してお上がりください」と結んでいる。だったら,下り列車も地上の上り線を走ってくれればいいのだが。どうせ列車密度は低いのだから。

そうこうしているうちに,一緒に下車した人々はもうかなり上のほうまで上っている。我々と同じく物好きな人たちかと思っていたが,トンネルの中にあるこの駅を特段珍しがる様子もなく,淡々と上っていく。谷川岳への登山客にして常連客なのかもしれない。

我々もあとについて階段を上っていく。壁際にはどこから湧き出たのか,水が絶え間なく流れている。これだけ大量の水が流れているのを見ると,ホームが冠水しないのかしら,ついにはトンネルが崩壊しないのかしら,と心配になってくる。が,今まで大丈夫だったのだから,今もこれからも大丈夫なのだろう。

それにしても息切れがする。かなりまめに休まないと上っていけない。普段の運動不足を痛感させられる。日常的に土合駅を利用する人はさぞかし大変だろうと思う。・・・・・・そんな人はほとんどいないだろうけど。

ついに階段を上りきり,明り取りのついた連絡通路を通り,改札口も通過して,ついに地上に到達した。小雨の降るどんよりとした天気だが,昼なのでとても明るい。太陽とはこんなにまぶしいものだったんだと思う。

周囲を散策する。

目に飛び込んでくるは湯桧曽川の清流。とてもすがすがしい。

口に吸い込まれるは高原らしい澄んだ空気。とてもおいしい。

耳に聞こえてくるは小鳥たちのさえずり。とても美しい。

そして鼻には,・・・・・・特に何もなかった。

さて,そろそろお迎えの電車が上り線ホームに入ってくる。こちらは地上にあり,特に珍しくはない。3連休ということもあり,なかなかの賑わいを見せている。・・・・・・といっても,我々を含めて10人足らずだが。

やがて到着した普通電車は,わずかな乗客にも満足した様子で動き出した。我々も十分に満足して土合駅をあとにする。次に目指すは上信電鉄である。


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