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  奥大井湖上(大井川鐵道・井川線)

1.ホーム(井川方面をのぞむ)

 

2.長島ダム湖

 

3.対岸に見える旧線跡

【駅概略】

大井川鐵道井川線の終点・井川駅から4駅,11.6kmの地点にある無人駅。長島ダムの建設にともない付け替えられた新線上に新しく設けられた。蛇行する大井川に対して,この区間の新線がほぼ直線状に敷設されたため,大井川(長島ダム)を渡る「奥大井レインボーブリッジ」と呼ばれる2つの橋に挟まれた,岬状に突き出たところに設置された。ブリッジの一部には歩道が併設されているため,まさに湖上を歩くことができる。

 

【駅データ】

駅名

奥大井湖上(おくおおいこじょう)

所在地

静岡県榛原郡川根本町梅地
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1990年10月2日

乗降客数

駅名のルーツ

 

【停車本数データ】

1992年3月

6往復

2008年10月

5往復

 

【訪問記】(2008年10月)

千頭駅から井川行きの列車に乗り込み,有名な尾盛駅で下車。本当はここで1時間ちょっとのんびりするつもりだったけど,降り立ってわずか15分でやることがなくなってしまった。これ以上ここにいてもしょうがないので,うまい具合にやって来た千頭行きの列車に飛び乗り,つい15分前に見たばかりの景色を巻き戻すこと約15分,奥大井湖上駅で下車した。

ノリでやって来たこの駅,駅名に違わずものすごいところにある。鉄道の敷設ルートは川の流れに沿うのが一般的だが,この辺りの大井川は谷を刻みながら大きく蛇行して流れているので,それにいちいち付き合っていられない。しかも,この区間は長島ダム建設に伴い比較的最近付け替えられた新線区間なので,トンネルや橋梁を建設するのに技術的な問題はない。となると,蛇行する大井川は見捨てて,まっすぐ線路を敷くことになる。こうして,蛇行する大井川を井川側からも千頭側からも立派な橋梁で渡った,岬状に突き出た狭苦しいところに奥大井湖上駅が誕生することとなった。

そんなところなので,民家は一切見当たらない。その代わり,駅から線路づたいに井川方面でも千頭方面でもちょっと歩けば大井川(長島ダム湖)の上に出ることになる。それを売りに,観光客向けに設置された駅と言えそうだ。

さっそく,駅から井川方面に向かう。線路沿いに遊歩道が設置されており,湖上散歩を楽しむことができる。・・・と,すぐ横の線路上で何らかの作業をしている方々が数名おられる。保線・点検だろうか。

ひるがえって,千頭方面へ向かう。こちらはホームがそのまま延長される形で湖上の橋にかかっている。さっそく湖上に出てみるに,景色は井川側とさほど変わるはずはなく,長島ダム湖が満々と水をたたえていた。

ホームから対岸を眺めてみる。・・・と,急峻な斜面のほぼ付け根,ちょっと間違えれば水面につかってしまいそうなところに,鉄橋のようなものが見えた。これはまぎれもなく旧線の跡で,現在線に付け替えられる前はあそこを通っていたことになる。周囲の植生の状況から判断して,ちょうど旧線跡のある位置まで水面が来ていることが多いようだ。長島ダム建設にともなって付け替えられたのもなるほどと思える。

こうして湖上駅を楽しむこと約20分,千頭方面から迎えの列車がやって来た。もともと,尾盛駅で1時間ほどのんびりしたあと利用するつもりだった列車だ。急きょ予定を変更したけれど,最後はこいつで予定通り,終点の井川駅に向かおうと思う。


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