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  筬島(JR北海道・宗谷本線)

1.ホームとここまで乗って来た普通列車(天塩中川方面方面をのぞむ)

 

2.ホーム(音威子府方面をのぞむ)

 

3.駅前広場(中央奥に駅舎が見える)

【駅概略】

JR音威子府駅から稚内方面へ1駅,6.3kmの地点にある無人駅。駅前には筬島の小さな集落が開けているほか、廃校を利用して現代彫刻家・砂澤ビッキの作品を展示する「エコミュージアムおさしまセンターBIKKYアトリエ3モア」がある。極端に利用が少ないとして2016年夏にJRが廃止を打診したが、地元の音威子府村が維持費を負担する方針を打ち出し、2017年3月JRダイヤ改正時の廃止は回避された。

 

【駅データ】

駅名

筬島(おさしま)

所在地

北海道中川郡音威子府村物満内
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1922年11月8日(天塩線として)

乗降客数

駅名のルーツ

オタ・ニコル・ナイ(細き砂浜を通っている川)とピラ・ケシ・オマ・ナイ(崖の端にある川)のまざったもの。

 

【停車本数データ】

1925年4月(天塩南線)

2往復

1944年12月

4往復

1956年12月

5往復

1968年12月

6.5往復

1987年4月

5往復

2001年3月

4.5往復

2016年4月

3往復

 

【訪問記】(2016年8月)

2016年度JR北海道廃止予定駅訪問シリーズ第1弾。JR北海道が経営立て直しのため、極端に利用の少ない18駅の廃止を打ち出した。こうした駅は非常に魅力的な駅であることが多く、きわめて衝撃的かつ残念な話ではあるが、廃止が覆される可能性は低いと思われる。とにかく、廃止される前に訪問しておきたい。18駅のうち、東山姫川蕨岱、北豊津、東鹿越稲士別上厚内糠南下沼の9駅は訪問済みなので、残る9駅を訪問するプランを考え、さっそく実行に移すこととする。

第1弾は筬島駅。稚内駅から普通列車に乗車。夏休みということもあり、車内は意外に混んでいるが、それでもボックス席にありつけた。2時間半ほど揺られ、定刻13:14に筬島駅に到着。切符を見せて下車する。

さっそく駅の観察に入る。1面1線のホームは舗装すらされていないが、雑草はほとんど生えておらず、手入れが行き届いている感がある。駅舎は北海道によくある簡素な貨車タイプだが、こちらも最近補修されたようで小奇麗だ。廃止の噂が出ているということを勘案しても、これ以上特筆すべきことは見当たらない。

駅前広場に出る。向かって右手にプレハブ小屋がある。筬島駅のすぐ北でも工事が進む国道40号音威子府バイパスの工事事務所のようだ。自らの息の根を止めかねない者に協力させられているようで忍びないが、道路整備にも重要な目的があるので仕方ないか、とも思う。

駅前の筬島集落を散策する。民家は数えるほどしかないが、人が住んでいる気配が感じられ、なんだかほっとする。駅からまっすぐ行った突き当たりに「エコミュージアムおさしまセンターBIKKYアトリエ3モア」がある。現代彫刻家・砂澤ビッキの作品が展示されており、廃校となった筬島小学校跡を再利用している。今や大人を入れても一つの小学校が成立するだけの生徒数を確保できるとは思えないこの地にその昔小学校があったなんて信じられないが、それだけ過疎が進んでしまったということなのだろう。

時間が迫って来たので、これで筬島の駅と集落を後にし、音威子府駅から特急列車に乗って帰ることにする。音威子府駅には列車に乗れば7分で着くが、次の列車は6時間後までない。仕方ないので歩くことにする。歩き始めてすぐに天塩川に架かる筬島大橋が見えてきた。その手前で後ろを振り返ると、筬島の集落が見える。こういう景色、たまらなく好ましい。いつまでもここに佇んでいたい衝動に駆られるが、そうもいかない。やがて前に向き直し、音威子府駅に向けて足を速めた。

 

追記(2016年12月16日)

来年春のJRダイヤ改正の内容が発表された。JR北海道関係では、利用の極端に少ない10駅の廃止が盛り込まれたが、そこに筬島駅の名はなかった。どうやら地元の音威子府村が維持費を負担して存続させる方針を打ち出しているらしい。正直いつまでもつか分からないが、少しでも長く存続することを望む。


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