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  新改(JR四国・土讃線)

1.ホーム

 

2.駅舎(中央左)と駅前通り

 

3.スイッチバック

 

4.迎えにやって来た列車

【駅概略】

JR土佐山田駅から北へ1駅,7.4kmの地点にある無人駅。高知平野北辺の四国山地の険しい山中にあり,X型のスイッチバックがある。特急列車は全て通過し,普通列車は10分以上停車するものもあれば通過するものもある。駅前には廃商店があるのみだが,駅から15分ほど山道を下ると平山の集落に出る。

 

【駅データ】

駅名

新改(しんがい)

所在地

高知県香美市土佐山田町東川
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1947年6月1日(新改(しんかい)駅として)

乗降客数

駅名のルーツ

新開,開拓地のこと。土佐藩の執政・野中兼山が新しく開いた田地もある。

 

【停車本数データ】

1950年10月

下り6本,上り8本

1956年12月

下り5本,上り8本

1968年12月

8.5往復

1987年4月

8往復

2006年3月

下り9本,上り7本

 

【訪問記】(2006年3月)

繁藤駅から下りの普通列車に乗車。隣の新改駅で下車した。

険しい山中を行く土讃線の途中に,列車の休憩所のような感じで駅がある。勾配が急なので,列車はスイッチバックして駅に発着する。駅前には廃屋が1軒あるのみで,あとはただただ山々が広がっている。このようにいろいろな要素を併せ持っている新改駅は,鉄道ファンの間でも非常に人気が高い。

一介の鉄道ファンである私も,約2年前に新改駅を訪問した。が,そのときは駅や鉄道にしか興味がなかったので,スイッチバックを中心に駅周辺を見物しただけで終わった。今回は趣向を変えて,駅から15分ほどのところにある麓の集落まで行ってみようと思う。・・・・・・付き合わされる同行者には甚だ迷惑な話だが。

駅前から続く急な坂道を下っていく。舗装されてはいるが,曲がりくねった細い山道が続いている。途中に何かの工事をやっている場所があるが,それ以外は人跡まれな山中を淡々と進む。

15分ほど下ると,にわかに前方が開け,視界の中央に湖が現れた。正確にはダムのようで,水を満々と湛えている。その中心に架かる橋を渡って個人商店の前に出,すぐを左に折れて再び橋を渡って道なりに進むと,そこに小学校があった。

見た目には比較的新しい建物である。のだが,学校への入り口にはチェーンが張られていて中に入れない。子供達のいる気配も全くない。事前調査の通り,休校状態にあるようだ。

そこからさらに川に沿って北上していく。と,細い道に沿って平山の集落が開けている。休止された小学校を見たせいか,何となく活気が無いように感じられた。

さっき下った山道を逆に登って新改駅に戻る。駅ノートが置いてあったのでパラパラめくってみると,やはり書き込みが非常に多い。そもそも,この駅ノートを置いている団体(新改駅愛好会のようなもの?)が頻繁に新改駅にやって来て,駅の掃除などを行っているようだ。これには本当に頭の下がる思いがした。

ホームに立って深呼吸などをしていると,遠くから列車の音が聞こえてきた。その音はだんだん大きくなり,やがて2両編成の普通列車が高知方からひょっこり姿を現した。ホームにゆっくりと滑り込んだその列車に乗り込む。と,我々と入れ違いで,高校生が下車していくのが見えた。

今日,新改駅での列車の発着を見るのはこれで3回目だ。高知から繁藤駅に向かう途中に新改駅を通ったのが1回目,そこから高知方面に折り返して新改駅で下車したのが2回目,そしていま新改駅から乗車して3回目である。1回目では,老夫婦が下車していったのを覚えている。そして3回目では高校生である。決して多いとは言えないけれど,新改駅は地元の方々にもちゃんと利用されているようだ。

全国各地から訪れる数多くの鉄道ファン。

駅の管理を担う駅愛好団体。

そして,急な山道を登り下りしてでも利用する地元の方々。

こんな感じで,新改駅はありとあらゆる種類の人々に愛されていることが実感できた。派手さや華々しさは決してないけれど,これからもこの調子で頑張ってほしいなと思った。


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