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  有家(JR東日本・八戸線)

1.八戸方をのぞむ

 

2.久慈方をのぞむ

【駅概略】

三陸海岸沿いにある無人駅。1930年の路線開業時には駅は設置されず,あとになって新設された。有家の集落からは離れており,駅の周囲には2,3軒の民家があるのみ。

 

【駅データ】

駅名

有家(うげ)

所在地

岩手県九戸郡種市町有家
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1961年12月25日

乗降客数

駅名のルーツ

有はアリと読むところが多くその転であろう。新しいの意と山の意があり,ケは毛で稲(その他の穀物)ができる土地。また一説に,中世の歌人・藤原有家(ありいえ)がこの地に館を構えたところから。

 

【停車本数データ】

1968年12月

8.5往復

1987年4月

8往復

2005年3月

9往復

 

【訪問記】(2005年3月)

札幌での学会を終え,苫小牧から夜行のフェリーに乗船。翌朝4時すぎ,八戸港に到着。まだ暗い中,地図を携えて,とぼとぼと1人で,1時間かけて本八戸駅まで歩く。

下り1番列車に乗車。久々に味わい深い路線にやって来たな,と思う。それにしても腹が減った。まだ朝食を食べていない。途中の階上駅で長時間停車したので外に出る。でもまだ店が開いてない。仕方なく自販機でコーヒーを買う。ますます腹が減った。

列車は三陸海岸沿いを行く。腕木式信号機も残っている。旅情を感じるうちに有家駅に到着し,人目をはばかりながら下車した。すぐに列車は出発。いつものように1人取り残された。

まず海岸に目をやる。駅の目の前に工場らしき建物(廃屋?)がある。そして砂浜では立て看板が「密漁禁止」を訴えている。

波打ち際まで歩いてみた。3月だけど,三陸の海はまだまだ冬の表情を見せている。そうする間にも,車が時おり通過していく。さっきの看板からして,不審者に間違われても仕方のない状況だ。

居かねて,今度は山手に向かうことにする。雪の降る中,坂道をのぼり,国道45号線沿いに開けた有家の集落に出た。確かに何ということもない,普通に「家が有る」だけの集落だった。

駅に戻る。まだ時間があるので再び海岸でぼーっとする。が,だんだん寒さを感じてきて,駅の待合室に潜り込んだ。小さいけれど中は実に暖かく,実に頼もしい。そうするうちに迎えの列車が到着。地元のおばさんとともに乗り込み,周囲にたくさん「家が有る」とは言いがたい有家駅を後にした。


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