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談話室その5

典型地形が織り成す情景

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松島

【所在地】
宮城県宮城郡七ヶ浜町・利府町・松島町、塩竈市、東松島市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・海食崖(海の侵食によってつくられた海岸の崖。波食崖ともいわれる。)
・海食洞(海水の侵食作用によってつくられた洞穴。洞入口の幅・高さよりも奥行きが深いもの。)
・海食洞門(海食作用でできたトンネル状地形。海食洞が反対側の海まで達することで形成されるのが一般的。)
・多島海(一定の範囲に多数の島々が点在する海域。)

【コメント】
 日本三景の一つとしてあまりに有名な松島は、もともと陸地だった松島丘陵が沈降してできた。

 写真上は「鐘島」で、このアングルでは分かりづらいが、4つの洞門がある。これら洞門に打ち寄せる波が鐘の音のように聞こえたことが島名の由来だという。

 写真下は五大堂島を海から見たもの。この島には松島のシンボルとも言える五大堂が建っているが、こちらもかなり海食が進んでいる。

 なお、松島には260余りの島があるが、その一つ一つに名前がついているという。地形図上でも、無数に描かれた島々の大部分に島名が記載されており、奇観である。

(2007年8月訪問)

十三湖

【所在地】
青森県五所川原市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・砂州(岬や半島部から細長く海へ突き出した砂嘴が、湾口を閉じたり、対岸と結びついたもの。)
・ラグーン(浅海の一部が砂などによって外界と全部または大部分が隔てられたもの。潟または潟湖ともいう。)
・海跡湖(砂州や砂嘴の発達など何らかの原因で、海の一部が陸に閉じ込められ湖になったもの。ラグーンもこの一種。)
・潮口(砂州が湾口をほとんどふさいでいるとき、その狭小な湾口をいう。)
・汽水湖(海水が潮汐により流入・流出する湖のこと。)

【コメント】
 岩木川の河口部が砂州によって堰き止められてできた汽水湖で、青森県第三の面積を誇る。この砂州の上には、中世に蝦夷地交易の要港として栄え、堺や博多と並んで「三津七湊」の一つにも数えられた十三湊(とさみなと)があったことで有名である。

 写真上は、湖に浮かぶ「中の島」へ渡る中島遊歩道橋から南方を見たもの。中の島は「中の島ブリッジパーク」として整備されており、市浦歴史民俗資料館などがある。写真下は、湖西岸を走る県道12号線に架かる十三湖大橋から海(日本海)側を見たもの。両側から砂州が伸び、十三湖が海とつながる唯一の潮口が見える。

(2009年9月訪問)

二ノ目潟

【所在地】
秋田県男鹿市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・マール(爆発的な噴火によって生じた円形火口で、顕著な環状丘をもたないもの。)

【コメント】
 写真前方に見えるのが二ノ目潟で、マール地形の代表例である。写真にはないが、近くにある一ノ目潟、三ノ目潟もマールである。一方、写真後方に見える戸賀湾は、楕円形を成すものの、マールではない。一ノ目潟と二ノ目潟の間を通る県道121号線沿いに展望台(八望台展望台)が整備されており、一ノ目潟と二ノ目潟(および戸賀湾)を眺めることができる。

(2011年9月訪問)

岩木山

【所在地】
青森県弘前市、西津軽郡鰺ヶ沢町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・成層火山(主に同一の火口から噴火を繰り返し、噴出した溶岩流や火山砕屑物が円錐形の火山を形成したもの。)

【コメント】
 岩木山は富士山に似た山容を持つ成層火山で、「津軽富士」とも呼ばれる。山頂は3つの峰に分かれており、中心が岩木山である。写真は麓にある岩木山神社付近から見たもの。訪問時は紅葉が中腹まで進んでおり、絶景であった。

(2012年10月訪問)

御釜

【所在地】
宮城県刈田郡蔵王町、柴田郡川崎町付近(境界未定域付近)

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・火口湖(火山の噴火口に水をたたえて生じた湖。)
・中央火口丘(火山の火口中央部やカルデラ内部中央付近に形成される小型の火山。)

【コメント】
 蔵王の象徴でもある御釜は、五色岳(写真右手に見える中央火口丘)西側にある火口湖である。天気や時間帯などによって湖水の色が刻々と変化することから、別名「五色沼」とも呼ばれる。湖の水質は酸性で、水温は表面から十数mの深度で2℃まで下がり、それより深いところでは温度が高くなる「特殊双温水層」と呼ばれる世界でも例を見ない性質を持っているという。訪問時は、湖の表面は凍っているようであった。

(2013年5月訪問)

磐梯山と桧原湖

【所在地】
福島県耶麻郡北塩原村・猪苗代町・磐梯町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・爆裂火口(爆発的な火山活動によって生じた火口。主として水蒸気爆発によって山体の一部が吹き飛ばされて生じた火口が多い。)
・爆発カルデラ(爆発的な火山活動によって、火山体の一部が崩壊あるいは飛散して生じたカルデラ。)
・堰止湖(河川水が、何らかの自然現象が原因でせき止められ生じた湖。)

【コメント】
 南側から見ると端正な山容を誇る磐梯山だが、北側から見ると、写真上に示すように一変して山体が深くえぐられ、荒々しい山容を見せている。これは、1888年に発生した大規模な水蒸気爆発により、小磐梯山が山体崩壊を起こしたためである。地形図を見ても、このとき形成された爆発カルデラ内は「岩」の記号で埋め尽くされており、荒々しい山容がうかがえる。

 山体崩壊を起こした小磐梯山は、大規模な岩屑なだれとなって流れ下り、長瀬川やそれに注いでいた支流の数々を堰き止めた。また、岩屑なだれにより形成された流れ山の間の窪地に水がたまった。このようにしてできたのが、写真上に示す桧原湖や、写真下に示す母沼(五色沼湖沼群の一つで、裏磐梯物産館のすぐ横にある)といった大小さまざまな湖沼である。現在、五色沼の周囲には、自然探勝路が整備され、気軽に散策を楽しむことができる。

(2014年8月訪問)

 


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