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談話室その5

典型地形が織り成す情景

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立山 地獄谷

【所在地】
富山県中新川郡立山町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・爆裂火口(爆発的な火山活動によって生じた火口。主として水蒸気爆発によって山体の一部が吹き飛ばされて生じた火口が多い。)
・泥火山(水を多量に含む粘土〜泥が地表に噴出して形成された、火山に類似した地形。)
・噴泉塔(温泉に含まれる成分が空気に触れて沈殿物となり、それが固まって長い年月の間に塔状になったもの。)
・地獄谷(火山で噴気活動が活発な地域の俗称。)

【コメント】
 立山黒部アルペンルートの最高所にあたる室堂平にある地獄谷は、立山火山の爆裂火口で、今も硫黄が噴出し、温泉が沸き返るなど、火山の片鱗を感じることができる場所となっている。2012年10月に再訪した際には、亜硫酸ガスや硫化水素などの有毒な火山ガスの濃度上昇の影響で、立ち入り禁止となっていた。

(2004年9月訪問)

東尋坊

【所在地】
福井県坂井市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・柱状節理(溶岩や火砕流などが固結するときに、体積が収縮するために形成される柱状の割れ目。)

【コメント】
 東尋坊は自殺の名所として有名だが、大規模な柱状節理が見られることでも有名である。地形図では「岩がけ」の記号で済まされているが、現地に行ってみると写真のように見事な柱状節理を観察できる。国の天然記念物および名勝に指定されている。

(2008年1月訪問)

弥陀ヶ原


【所在地】
富山県中新川郡立山町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・火砕流台地(火砕流堆積物が形づくる台地。)
・高層湿原(主として雨水により涵養される湿原。典型的なものでは、時計皿を伏せたドーム状地形が形成され、植生は雨水や雲霧などの降水により養われるため、貧栄養な条件下でのみ生育可能な植生が発達する。)
・池塘(高位泥炭地内にある池沼。)

【コメント】
 立山黒部アルペンルートの途中にある弥陀ヶ原は、立山火山から噴出した火砕流が形成した火砕流台地である。ワタスゲなどの高山植物が生い茂る中に、「ガキ田」と呼ばれる池塘が点在している。「弥陀ヶ原」バス停を起点に遊歩道が整備されており、のんびり散策することができる。訪問当時は紅葉真っ盛りで、天気も良く、絶景を堪能できた。

(2012年10月訪問)

立山カルデラ

【所在地】
富山県中新川郡立山町、富山市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・カルデラ(火口状の凹地で、通常の火口より大きいもの。一般に、直径が2qより大きいものをいう。)
・カルデラ壁(カルデラの外縁をなす急崖ないしは急斜面。)
・外輪山(火口の噴火口が二重かそれ以上の場合に、これらを取り巻く環状山稜のこと。あるいはカルデラ縁のこと。)

【コメント】
 立山カルデラは、弥陀ヶ原一帯に広く厚く分布する火砕流が噴出することによってできた陥没カルデラであるとされてきたが、最近の研究により、谷の源頭部が侵食や崩壊により拡大した浸食カルデラであると考えられるようになった。1858年の飛越地震で、日本三大崩れの一つである鳶山崩れが発生するなど、大量の土砂が流出するようになったため、下流域の富山平野を守るべく、大規模な砂防工事が行われており、重要文化財に指定された白岩砂防堰堤や、18連続スイッチバックを誇る砂防工事専用軌道などが有名である。写真は「弥陀ヶ原」バス停から続く遊歩道の先にある立山カルデラ展望台から撮影したもの。

(2012年10月訪問)

室堂平とミクリガ池・ミドリガ池


【所在地】
富山県中新川郡立山町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・溶岩台地(溶岩流によってつくられたほぼ平坦な台地。)
・火口湖(火山の噴火口に水をたたえて生じた湖。)

【コメント】
 立山黒部アルペンルートの最高所にあり、中心地でもある室堂平は、立山火山から噴出した溶岩流によって形成された溶岩台地である。室堂平のシンボル的存在であるミクリガ池(写真上)や、すぐ近くにあるミドリガ池(写真下)といった火口湖のほか、(訪問できなかったが)カールや溶岩トンネルなども比較的容易に見学でき、まさに地形の宝庫である。訪問当時は紅葉真っ盛りで、天気も良く、絶景を堪能できた。

(2012年10月訪問)

千里浜なぎさドライブウェイ

【所在地】
石川県羽咋郡宝達志水町、羽咋市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・砂浜(砂(粒径が2〜1/16mm)が多く堆積している浜のこと。)
・砂浜海岸(沿岸流や波などによって運ばれた主に砂から成る海岸。)

【コメント】
 千里浜なぎさドライブウェイは、地形図上では他の砂浜と同じく「砂れき地」の記号で済まされているが、日本で唯一車で走行できる砂浜として有名である。車が走行できるのは、砂の粒径が小さく、水を含むとよく引き締まるためという。訪問時も、波打ち際で海水浴を楽しむ観光客の傍ら、ドライブを楽しむ車が頻繁に往来していた。

(2014年9月訪問)

垂水の滝

【所在地】
石川県輪島市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・懸谷(本流と支流の合流点で、支流の谷床が本流より高い位置にある谷。懸垂谷やハンギングバレーとも呼ばれる。)
・海食崖(海の侵食によってつくられた海岸の崖。)

【コメント】
 珠洲市との境界付近に位置する垂水の滝は、海食崖を流れ落ちた水が日本海に直接注いでいる。冬には流れ落ちる水が日本海からの強風にあおられて吹き上がる現象が見られることから、別名「吹き上げの滝」とも呼ばれる。地形図を見ると、集水面積はそれほど大きくないようだが、1年中水が涸れることはないという。

(2014年9月訪問)

悪城の壁

【所在地】
富山県中新川郡立山町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・柱状節理(溶岩や火砕流などが固結するときに、体積が収縮するために形成される柱状の割れ目。)
・崖錐(急崖などから岩屑が落下して形成される、急斜面を成す円錐形の堆積地形。)
・アバランチシュート(雪崩の路のこと。雪崩が同じ場所で繰り返されると、樋状の凹地が細長く形成され、無雪期には滑り磨かれた岩肌を見せることが多い。)

【コメント】
 写真上は、県道170号線沿いに整備されている「悪城の壁展望台」から見たもので、「悪城の壁」と呼ばれる一枚岩の大断崖である。称名川の左岸側に位置するこの断崖は、高さ500m、延長2,000mの規模を誇り、古立山火山の噴出物で形成された溶岩台地を、氷河と称名川が10万年かけて侵食してできたものと言われている。断崖全体が溶結凝灰岩でできており、一部で柱状節理が発達している。また、断崖の直下には、写真に示す通り、崖が繰り返し崩壊したために崖錐が形成されている。地形図を見ると、「岩がけ」の記号の直下の等高線はやや前方に張り出しており、地形図からも崖錐を感じることができる。

 写真下は、そこからもう少し上流に行った八郎坂付近(※この辺りも「悪城の壁」の範囲内なのかは不明)の同じく称名川左岸側を見たものである。溝状に断崖が削られたアバランチシュートがよく発達しており、雪崩の通り道となっていることが分かる。さらに、崖の直下には、「悪城の壁」と同様に崖錐も形成されている。訪問時は午後でやや逆光だったものの、紅葉が見ごろを迎えており、こうした地形ともども絶景を堪能することができた。

(2014年10月訪問)

黒部川下流域

【所在地】
富山県黒部市、下新川郡入善町・朝日町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・扇状地(山地から平野部へ移動する河川地形の一つで、谷頭を先端として、扇状に開いた堆積地のこと。)

【コメント】
 黒部川下流域には、愛本橋付近を扇頂(扇状地の先端部で、山地と平野の境目)として、中心角約60度、半径約13kmの扇状地が形成されており、ほぼ等間隔に並んだ等高線を見ているだけでも美しい。地下水が豊富で、扇端(扇状地の末端部)付近には湧水が多数見られる。写真は、富山空港行きの飛行機から撮影したもの。

(2016年5月訪問)

 


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