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談話室その5

典型地形が織り成す情景

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大室山

【所在地】
静岡県伊東市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・火山砕屑丘(降下火砕物が火山周辺で形成した円錐形ないし類似の高まりのこと。火砕丘、砕屑丘、ホマーテとも言う。)
・スコリア丘(主としてスコリアで形成された砕屑丘。スコリアとは、火山砕屑物のうち、黒〜暗灰色で多孔質、見かけ密度の小さいもの。)

【コメント】
 写真は麓から見たもので、やや分かりづらいが、遠方から見ると、緑の草本で一面覆われた、円錐形の美しい山である。地形図を見ても、同心円を成す等高線が幾重にも描かれており、美しい。麓からリフトが出ており、火口の縁をなぞるように整備された遊歩道を散策できる。

(2008年10月訪問)

鬼ヶ城

【所在地】
三重県熊野市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・海食洞(海水の侵食作用によってつくられた洞穴。洞入口の幅・高さよりも奥行きが深いもの。)
・ノッチ(海岸の侵食や溶食によって海岸に形成されるほぼ水平な窪地。)

【コメント】
 熊野灘の荒波により侵食されてできた無数の海食洞やノッチが約1qにわたって続いている。地形図上では「岩」の記号で済まされているが、実際に現地に足を運んでみると、写真のように奇岩が連続しており、まさに奇観である。海岸沿いに遊歩道が整備されているが、訪問時は一部が崩落して通行止めとなっていた。

(2010年8月訪問)

富士山と富士五湖


河口湖


西湖


精進湖


本栖湖


山中湖

【所在地】
山梨県富士吉田市、南都留郡富士河口湖町・山中湖村・鳴沢村、南巨摩郡身延町、静岡県富士宮市、裾野市、富士市、御殿場市、駿東郡小山町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・成層火山(主に同一の火口から噴火を繰り返し、噴出した溶岩流や火山砕屑物が円錐形の火山を形成したもの。)
・単式火山(一つの火道から生じた火山のこと。)
・堰止湖(河川水が、何らかの自然現象が原因でせき止められ生じた湖。)

【コメント】
 日本の最高峰である富士山は、その端正で優美な山容でも知られ、日本の象徴の一つにもなっている。地形図を見ても、同心円状の等高線が幾重にも連なる様は圧巻の美しさである。その一方で、これまで幾度となく噴火を繰り返し、その山容や周囲の景観を一変させてきたことも明らかにされており、今後も噴火に対する警戒が必要とされている。

 河口湖、西湖、精進湖、本栖湖、山中湖から成る富士五湖は、いずれも富士山の溶岩によりできた堰止湖である。写真は、富士山を背景に、これら五湖を撮影したものである。このうち、西湖、精進湖、本栖湖の三湖は、水面の標高がいずれも約900mであり、もともと「剗(せ)の海」と呼ばれる一つの大きな湖であったものが、度重なる富士山の噴火に伴う溶岩により3つに分断されたものの、地下で水脈がつながっていると考えられている。

 2013年6月、富士山と富士五湖は、関連する文化財等とともに、世界文化遺産に登録された。

(2011年12月訪問)

久能山

【所在地】
静岡県静岡市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・バッドランド(小丘や小さな稜、小谷や涸れ沢などが連続するような不毛の地。悪地地形と訳されることも。)

【コメント】
 写真は、徳川家康を祀る久能山東照宮がある久能山と日本平とを結ぶ日本平ロープウェイの車内から撮影したもの。訪問当時はバッドランドのことなどつゆ知らず、突然現れた植生のまばらな、荒涼とした風景に驚いてカメラのシャッターを押した。地形図を見ても、「土がけ」の記号が縦横無尽に描かれており、不毛の大地を如実に表している。

(2012年1月訪問)

堂ヶ島天窓洞

【所在地】
静岡県賀茂郡西伊豆町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・海食洞(海水の侵食作用によってつくられた洞穴。洞入口の幅・高さよりも奥行きが深いもの。)

【コメント】
 堂ヶ島にある「天窓洞」は、凝灰岩でできた海食洞で、写真のように一部天井が崩れて穴(天窓)が開いているため、天窓洞と呼ばれている。天窓洞の周囲をめぐる遊歩道が整備されているほか、遊覧船で海から海食洞に入り、天窓から光が洞内に射し込む神秘的な光景を楽しむこともできる。訪問時は荒波のため、遊覧船は欠航していた。天然記念物。

(2012年4月訪問)

御浜岬

【所在地】
静岡県沼津市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・砂嘴(岬や半島部から細長く海へ突き出るように延びた砂礫の州。一般にその先端部は、内陸側に多少湾曲しながら成長することが多い。)

【コメント】
 写真は県道17号線から戸田(へだ)港周辺を俯瞰したものである。写真右手に見える砂嘴が御浜岬で、公園として整備されているほか、戸田灯台や戸田造船郷土資料博物館などもある。砂嘴というと砂のイメージが強かったが、御浜岬は粒径の大きい礫で構成されているようであった。

(2012年4月訪問)

焼岳と大正池

【所在地】
長野県松本市、岐阜県高山市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・溶岩円頂丘(粘性の大きな溶岩から成る釣鐘状火山のこと。溶岩ドームとも呼ばれる。)
・堰止湖(河川水が、何らかの自然現象が原因でせき止められ生じた湖。)

【コメント】
 写真後方に写る焼岳は、今も噴煙を上げる活発な活火山で、溶岩の粘性が高いため、溶岩ドームを形成する。一方、上高地の中でも有名な観光スポットである大正池は、その焼岳が1915年に大噴火を起こした際に、大量の泥流が梓川を堰き止めてできた。上流から土砂が流入し続けており、池は少しずつ小さくなっているという。

(2012年10月訪問)

穂高連峰と岳沢カール

【所在地】
長野県松本市、岐阜県高山市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・カール(高山の山稜直下などにみられる、椀状で山麓方向に開いた谷のこと。圏谷とも呼ばれる。氷食地形の一つ。)
・鋸歯状山稜(のこぎりの刃のように鋭くとがった峰が連続する急峻な山稜のこと。)

【コメント】
 写真は上高地の河童橋付近から穂高連峰を見たものである。中央に見える岳沢(だけさわ)は、氷河の侵食作用により形成されたカールで、地形図を見ても見事な椀状地形を呈している。また、西穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳などからなる山稜は、3,000m前後の小ピークが連続しており、まさしく鋸の刃状になっている。このうち、奥穂高岳から前穂高岳にかけては、「吊尾根」と呼ばれている。

(2012年10月訪問)

丹那盆地

【所在地】
静岡県田方郡函南町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・構造盆地(構造運動によって形成された盆地。周辺部が断層や褶曲などによって相対的に隆起したもの。)

【コメント】
 構造盆地の一つとされている。山地の中にぽつんと小さな盆地があり、地形図を見ていると不思議な感じがする。写真は、盆地の南縁を半周する県道11号線(熱函道路)から俯瞰したもの。

(2013年2月訪問)

三保の松原

【所在地】
静岡県静岡市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・砂嘴(岬や半島部から細長く海へ突き出るように延びた砂礫の州。一般にその先端部は、内陸側に多少湾曲しながら成長することが多い。)
・砂浜(砂(粒径が2〜1/16mm)が多く堆積している浜のこと。)
・砂浜海岸(沿岸流や波などによって運ばれた主に砂から成る海岸。)

【コメント】
 三保の松原がある三保半島は、安倍川によって太平洋まで運ばれた土砂が形成した砂嘴である。海岸侵食により砂浜が消滅する恐れが出てきたため、静岡県が養浜対策を講じている。2013年、ユネスコの世界文化遺産「富士山−信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産として登録された。

(2013年11月訪問)

 


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