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談話室その5

典型地形が織り成す情景

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開聞岳

【所在地】
鹿児島県指宿市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・成層火山(主に同一の火口から噴火を繰り返し、噴出した溶岩流や火山砕屑物が円錐形の火山を形成したもの。)

【コメント】
 標高はそんなに高くない(924m)ものの、富士山に似た山容で、地形図上でも非常に美しい。ただし、山体は二重構造(約1500年前、古い成層火山の上部が吹きとび、その上に溶岩ドームが形成された)になっているという。写真は長崎鼻から撮影したもの。日本百名山の一つ。

(2005年3月訪問)

浅茅湾

【所在地】
長崎県対馬市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・リアス海岸(起伏の大きい山地が沈水し、生じた樹枝状の入り江をもつ海岸。)
・溺れ谷(陸上の谷地形が何らかの原因で海面下に沈んでつくられた湾。)
・多島海(一定の範囲に多数の島々が点在する海域。)

【コメント】
 浅茅湾は対馬の上島と下島の間にある湾で、もともと陸地だった丘陵地帯が沈降してできた特徴的な地形が美しい景観を形成している。写真は上見坂公園から撮影したもの。この写真からは分かりづらいが、地形図を見るとその優美な姿は圧巻である。

(2007年11月訪問)

桜島と昭和溶岩

【所在地】
鹿児島県鹿児島市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・溶岩流(火口から噴出された溶岩が重力によって流下するもの。あるいは、これが冷却固結した岩体。)

【コメント】
 桜島東側に位置する黒神集落付近から見た桜島火山である。やや見づらいが、写真左手に堆積しているのが、1946年の噴火で流れ出た昭和溶岩である。大雨のたびに土石流が発生するため、被害を防止・軽減すべく、大規模な砂防工事が行われている。

 訪問時は昭和火口の活動が非常に活発で、島の周囲を歩いている間にも、写真のように爆発的噴火が幾度となく繰り返されていた。特に、風下側では、火山灰が容赦なく降りかかり、傘を差して歩いても、道路に降り積もった灰を車が容赦なく巻き上げていくため、歩いているだけで息苦しかった。

(2010年2月訪問)

奥武島の畳石

【所在地】
沖縄県島尻郡久米島町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・柱状節理(溶岩や火砕流などが固結するときに、体積が収縮するために形成される柱状の割れ目。)

【コメント】
 奥武(おう)島は久米島の東にある島で、久米島とは新奥武橋で結ばれている。奥武島の南西部にある畳石は、安山岩質の溶岩がゆっくり冷えて岩石になる時にできた柱状節理で、表面は波の浸食でほとんど平坦になっており、亀の甲羅のような岩が規則正しく並んでいる様はまさに奇観である。

(2011年12月訪問)

久米島西海岸

【所在地】
沖縄県島尻郡久米島町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・隆起サンゴ礁(過去のサンゴ礁が、隆起や海面低下によって現在の海面より高位に存在するもの。)
・裾礁(島の海岸部に沿って発達するサンゴ礁のこと。)
・礁湖(サンゴ礁によって囲まれた海水域のこと。リーフラグーンとも呼ばれ、裾礁においては海域部が浅く小さいために礁池とも呼ばれる。)

【コメント】
 写真は那覇空港行きの飛行機から久米島の西海岸を見たものである。写真左下に見える西銘崎から空港(久米島空港)の滑走路を取り囲むように陸地が沖合を写真右側(南側)へと続いているが、これが隆起サンゴ礁である。久米島本島と隆起サンゴ礁の間に広がる海が礁池で、沖縄の方言でイノーと呼ばれる。

(2011年12月訪問)

鬼の洗濯板

【所在地】
宮崎県宮崎市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・波食棚(海食崖から沖側に広がる平坦な岩床面。ベンチあるいは海食棚とも呼ばれる。)

【コメント】
 砂岩と泥岩が交互に重なった地層が沈降し、波に侵食された後に隆起、緩やかに傾斜することで写真のようなギザギザとしたまさしく洗濯板状の波食棚ができた。固い砂岩層が突出し、泥岩層はくぼんでいるという。 写真は国道220号線沿いにある道の駅「フェニックス」から撮影したもの。

(2012年8月訪問)

青島

【所在地】
宮崎県宮崎市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・陸繋島(海岸近くの島が砂州によって陸続きとなったもの。)
・トンボロ(本土と島を陸続きにする陸繋砂州のこと。)

【コメント】
 青島は周囲1.5kmほどの小さな島ながら、干潮時には面積が3〜4倍にも広がり、トンボロが現れて九州本島と陸続きとなる。写真では分かりづらいが、島の周囲は上記でも紹介した「鬼の洗濯板」が取り囲んでいる。島にはビロウ樹を中心とした亜熱帯林が茂り、その群落は「青島亜熱帯性植物群落」として特別天然記念物に指定されている。

(2012年8月訪問)

阿蘇カルデラ

【所在地】
熊本県阿蘇市、阿蘇郡南阿蘇村・高森町

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・複式火山(最初に形成された火山体の内側に、より小さな火山体が形成された火山、またはこの繰り返しによって形成された火山。)
・カルデラ(火口状の凹地で、通常の火口より大きいもの。一般に、直径が2qより大きいものをいう。)
・カルデラ壁(カルデラの外縁をなす急崖ないしは急斜面。)
・中央火口丘(火山の火口中央部やカルデラ内部中央付近に形成される小型の火山。)
・火口原(大きな火口やカルデラ内において、平坦に広がった部分。特にカルデラでは、中央火口丘とカルデラ壁との間に発達する場合が多い。)
・外輪山(火口の噴火口が二重かそれ以上の場合に、これらを取り巻く環状山稜のこと。あるいはカルデラ縁のこと。)
・火砕流台地(火砕流堆積物が形づくる台地。)
・崖錐(急崖などから岩屑が落下して形成される、急斜面を成す円錐形の堆積地形。)

【コメント】
 阿蘇カルデラは、東西18km、南北25kmと世界でも有数の規模を誇るカルデラである。約27万年前から9万年前の間に発生した4回の巨大噴火により形成された。写真は、カルデラの北縁に位置する大観峰から見たもので、写真の中央やや左に見える比高300〜500mのカルデラ壁、写真左に見える草原に覆われた比較的なだらかな火砕流台地、写真中央やや右手で噴煙を上げる中岳を含む中央火口丘、カルデラ壁と中央火口丘の間に発達した火口原である阿蘇谷、カルデラ壁の下部に発達した緩斜面である崖錐など、カルデラの成因やその後の地形発達を一望することができる。カルデラとはスペイン語で「鍋」の意だが、大観峰から見るとカルデラの水平方向の広がりに比べてカルデラ壁の比高が小さいため、どちらかというと「フライパン」のイメージに近い気がした。

(2017年2月訪問)

米塚

【所在地】
熊本県阿蘇市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・スコリア丘(主としてスコリアで形成された砕屑丘。スコリアとは、火山砕屑物のうち、黒〜暗灰色で多孔質、見かけ密度の小さいもの。)

【コメント】
 米塚は約3千年前に形成されたスコリア丘である。高さ(比高)80m程度の小さな丘だが、円錐状の非常に均整の取れた形をしている。訪問時は冬で枯れていたが、夏には緑の草原に一面覆われた特異な景観がひときわ目を引く。阿蘇の開拓神であるタケイワタツノミコトが米を積み上げてつくったもので、頂上がくぼんでいるのは貧しい人々に米を分け与えたためという神話が残る。

(2017年2月訪問)

草千里ヶ浜

【所在地】
熊本県阿蘇市

【地形図】
周辺の地形図へ(国土地理院提供)

【地形の種類】
・火口(地下のマグマや火山ガスが地表に噴出される場所。)

【コメント】
 草千里ヶ浜は、約3万年前に形成された直径約1kmの火口の中に約400mの火口が生じた二重の火口である。くぼみに雨水がたまって2つの池が形成されている。写真はそのうち東側の池を見たもので、内側の火口にあたる。池のすぐ右手に見える丘状の高まりは駒立山で、内側の火口ができるときにデイサイト質の溶岩ドームが吹き飛ばされたが、その一部が残ったものという。

(2017年2月訪問)

 


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