ホーム > 終着駅の情景 > 上田・別所温泉


  上田・別所温泉(上田交通・別所線)

1.上田

 

2.別所温泉

【路線概略】 ※2005年10月3日会社名変更

上田温泉電軌として開業。他の路線が次々と廃止される中,上田−別所温泉間のみが別所線として残った。上田交通は東京急行電鉄の系列会社。独特の丸い窓を持つ「丸窓電車」が1986年まで走っていたことで有名で,現在は別所温泉駅構内に保存されている。2005年10月3日に上田交通から鉄道部門が切り離され,現在は「上田電鉄」が運行している。

 

【路線データ】 ※2005年10月3日会社名変更

 

営業キロ

運行本数

1925年4月
(上田温泉電軌
青木線・別所線)

上田−信濃別所7.1哩

?往復

1944年12月
(上田丸子電鉄
別所西丸子線)

上田−別所温泉11.6km

18往復

1956年12月
(上田丸子電鉄)

上田−別所温泉11.6km

28往復
(他に区間列車あり)

1968年12月
(上田丸子電鉄)

上田−別所温泉11.6km

26往復

1987年4月
(上田交通)

上田−別所温泉11.6km

24往復

2005年6月
(上田交通)

上田−別所温泉11.6km

30往復
(他に区間列車あり)

 

【駅データ】

駅名

上田(うえだ)

所在地

長野県上田市天神1-1-1
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1924年8月15日(上田温泉電軌青木線として)

乗降客数

3,328人(2000年現在,1日平均)

駅名のルーツ

鎌倉末期に誕生した地名。小高台地にできた田であることを示す。

駅名

別所温泉(べっしょおんせん)

所在地

長野県上田市大字別所温泉1853-3
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1921年6月17日(上田温泉電軌川西線信濃別所駅として)

乗降客数

565人(2000年現在,1日平均)

駅名のルーツ

 

【乗車記】(2005年8月)

長野方面からしなの鉄道で上田までやって来た。目的は一時期廃止の話も出た上田交通である。

改札を出て上田交通乗り場へ向かう。恐ろしくひなびた駅舎とホームを想像していたが,待ち受けていたのは最近できたという1面1線の真新しい高架駅だった。

丸窓のないごくありふれた電車は発車するやいなや千曲川を渡る。渡り終えると今度はごくありふれた田園地帯をごくありふれたスピードで行く。途中ごくありふれた駅に停車すると,ごくありふれた人々を降ろし,ごくありふれた人々を代わりに乗せる。廃止の話があったこと以外は何もかもがありふれていた。だから,廃止の話が出るほど客が少なく経営が厳しいとも思えなかった。

終点・別所温泉に到着。折り返しの電車を見送って駅周辺の散策に出る。この辺りは「信州の鎌倉」を自任しているらしい。閑静な,というより寂れた温泉街といった面持ちで,好感が持てた。

駅に戻って駅舎内をじっくり眺める。非常に驚いたことに,上田地方にかつて張り巡らされていた鉄道網をいまだ示した地図が掲げられていた。無言で歴史の重みを訴えている。「そう『ありふれていた』ばかり言わせませんよ」と言われた気がして,恐縮した。


ホーム > 終着駅の情景 > 上田・別所温泉