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  上笠田(三岐鉄道・北勢線)

1.阿下喜方面をのぞむ

 

2.駅前広場

 

3.西桑名方面から迎えにやって来た電車

【駅概略】 ※2006年4月1日廃止

三岐鉄道北勢線の楚原−麻生田間にあった無人駅。楚原駅から1.7kmの地点にあった。上笠田の集落外れののどかな田園地帯に,簡素なホームと待合室があった。ホームはかつて島式だったが,廃止時には棒線化されていた。利用者が非常に少ないことから,運行時間短縮の一環として,2006年3月いっぱいで廃止された。

 

【駅データ】 ※現在は廃止

駅名

上笠田(かみかさだ)

所在地

三重県いなべ市員弁町大字上笠田字丸一568-1
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供) 

開業

1916年8月5日(北勢鉄道として,8月6日とするものもあり)

乗客数

33人(2003年5月15日調査)

駅名のルーツ

 

【停車本数データ】 ※現在は廃止

1925年4月(北勢鉄道)

11往復

1978年(近畿日本鉄道)

下り26本,上り28本

2003年3月(近畿日本鉄道)

17.5往復

2006年3月

23.5往復

 

【訪問記】(2006年3月)

2004年に廃止された大泉東・長宮の両駅跡地を訪問したあと,大泉駅から楚原行き普通電車に乗車。たった1駅,5分で終点の楚原駅に到着し,さっそく地図を見ながら西に向けて歩き出す。目指すは今月いっぱいで廃止になる上笠田駅である。

この駅が廃止されることはつい1週間前まで知らなかった。鉄道関連のニュースを日々チェックしているのに,この駅の廃止情報だけは手に入らず,時刻表3月号を見て初めて知ったのだった。現代のような情報化社会においても,ローカル地方私鉄のローカル小駅の廃止情報は入手しにくいらしい。

地図に従い,上笠田駅までの最短距離を行く。まずはあまりにうらぶれた「楚原発展会」という商店街(商店街とはもはや言えない感がある)を,続いて田園地帯の小道を行く。やがて国道を慎重に渡って住宅地の中を行き,最後に左に折れて坂を下ると,田園地帯の際にひっそりとたたずむ上笠田駅が現れた。

と,いきなり上りの普通電車がやってきた。それに向けてカメラを構える男性がいる。彼も廃止になると聞いてやって来たと思われる。「みんな本当によく知っているなぁ」と感心してしまった。

彼はその普通電車で去っていったので,駅周囲にいるのは私だけとなった。乗るべき次の下り電車まであと10分,あらゆる角度からくまなく上笠田駅を観察してみる。

まずは駅前広場。自転車置き場があり,自転車が数台止めてある。廃止されるといえど,ちゃんと利用者がいるようだ。彼らは4月からどうするのだろうか。隣の楚原駅か麻生田駅を利用するのだろうけど,遠くなるので大変だろうと思う。

次にホーム付近の線形。ホーム周辺だけ不自然に膨れたようになっている。軽便鉄道の線路の敷き方を考えても異常だ。今は1面1線の簡素なホームだが,昔は1面2線の島式ホームだったと思われる。実際,上笠田駅の廃止記念乗車券には,島式ホーム時代の上笠田駅の写真が掲載されていた。

北勢線活性化の一環として廃止される上笠田駅。「どうして自分が・・・」と恨んでいるのでは,と心中を察しつつやって来たのだが,当の上笠田駅は周辺ののどかな田園地帯ともあいまって,非常に穏やかな表情を見せていた。天寿を全うした古老ならではの表情だ。あと10日で息絶えるこの古老に報いるためにも,北勢線には頑張ってほしいなと思う。


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