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  下北(JR東日本・大湊線)

1.駅舎

 

2.恐山

【駅概略】

JR大湊線の終点・大湊の1つ手前にある駅。国鉄大畑線(のちの下北交通)開業時に分岐駅として設置されたが,2001年に下北交通は廃止され,現在は単なる途中駅となっている。快速「しもきた」をはじめ,全列車が停車する。本州最北端の駅でもある。

 

【駅データ】

駅名

下北(しもきた)

所在地

青森県むつ市下北町
駅周辺の地形図
へ(国土地理院提供)

開業

1939年12月6日

乗客数

213人(2004年現在,1日平均)

駅名のルーツ

陸奥国北部の下(先端)に位置することから。

 

【停車本数データ】

1944年12月

6.5往復

1956年12月

5往復

1968年12月

6.5往復

1987年4月

8.5往復

2005年7月

9往復

 

【訪問記】(2005年8月)

大間鉄道の痕跡を探索したあと,同行者たっての希望で恐山にやって来た。もとより,私の希望でもある。

恐山にはこの世のものとは思えない殺伐とした景色が広がっている。硫黄の臭気が漂い,草木もまばらな荒涼とした大地が続いている。いたるところに石積みがあり,風車が回っている。噴泉もあちこちから上がっている。「血の池地獄」や「賽の河原」なんていうものまである。まさに「あの世との接点」といった風情だ。

この異様な世界を1時間ほどかけてゆっくり散策する。もう十二分に「あの世」を体感したので,そろそろ煩悩あふれる下界に戻りたくなる。が,帰りのバスはまだまだやって来ない。

ふと見ると,入山受付所の横にお食事処がある。小腹も空いたことだし,そばを注文しておいしくいただく。食べ終わって外に出ると,今度は「霊場アイス」なるものが目に留まる。名前に惹かれてついつい買ってしまう。これが非常にうまい。もっとまともなネーミングで全国発売していただきたいと思う。

・・・それにしても。

お食事処といい霊場アイスといい,日本三大霊場の恐山も結局は観光地に過ぎないのだなぁ。恐山の寺域を出た途端に数々の煩悩が待ち構えているのは,呆れるというかおもしろい・・・。

・・・そんなことを考えていると,誰も乗っていないバスが下界からやって来た。このバスは恐山ですぐに折り返して下界(下北駅)行き最終バスとなるから,誰か乗って来るほうが怖いのだが。

意外に多くの乗客とともに下界に向かう。最初はまだまだ不安な暗い山中を走っていたバスも,やがてにわかにむつ市街地に突入した。それにつれ,緊迫した車内の空気も心なしか緩んでくる。

そんな安堵感のうちに終点・下北駅に到着。待つほどもなくすぐにJRの普通列車が接続する。が,その間に見ておきたいものがある。そう,4年前までここから発着していた下北交通の跡だ。

何となく周囲を見回してみる。が,それとはっきり分かる痕跡は見つからない。もう夕方で,薄暗い時間帯である。わずか6分しかないというスケジュール上の都合もある。周囲に乗客が大勢いて大胆な行動を取れないという羞恥心もある。おとなしく諦めて,だけど再訪を誓って,満員の青森行き快速列車「しもきた」に乗り込み,下北半島に別れを告げた。


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